(毎月発行の『連絡紙』より)

●令和4年7月号

ロシアをプーチン独裁の国家と言って良いだろう。独裁国家はロシアとお隣の中国の伝統のようなもので、明治時代、ロシアの反皇帝分子へ日本から色々な援助が続けられた。そのお蔭も少なからずあって、ロシアでは革命は成就した。
  日本が行った反皇帝分子への援助は日ロ戦争勝利の為の布石であった。国家に限らず会社でもどんな集団でも、独裁という体制は人を育てない。今回プーチンの行ったウクライナ侵攻の理由はロシア国民でさえ見えないと思う。国民が指導者の信条を察知出来ているようならば、それは独裁国家と言えないからだ。
 独裁者の判断間違いは独裁者の起こす行動によって起きるが、独裁者が狂った判断をするからでない。いや、狂った判断をしているのはしているのだが、ご本人は間違った判断をしていると思っていないのである。
  側近が自己満足の情報を正当化して中心にいる人に流す結果でそうなる。今回の様に、如何に切れ者プーチンでも、側近のガセ情報に踊ってしまわせられる…。
 
側近は国や世界などどうでも良く、ましてや自分の国が滅亡しようとそんなことはどうでも良いのだ。集団の中心にいる人にウケれば良い。ウケさえすれば明日自分が失脚するという現実さえも否定されてしまう…。
  そういう情報ばかり何年間も貰っていると正当な判断から大きく外れ
る。誰も理解できる説明ができない事になる。プーチンですらどこで判断が間違えたのか分らない。正解が判れば侵略は回避できたはずだ。
  国だけに独裁があるのではない。社会でも会社でも、家庭にもある。亭主関白とかかかあ天下、という言葉に縁のない家庭でも独裁はあって、それをして仲の良い家庭と互いに思っている場合があって、しかも実に多い。私たちの家庭では、その時その時に忖度がついて回っていて、それをして気遣いのある楽しい家庭と称しているようだ。
  夫婦で良ければ良し、だがそれで社会生活が務まるなら宜しいが、多くはそうではない。あるべき事、やるべき事をしないで良しとする…それが家庭であることにしてしまうからだ。その結果として例えばモンスターペアレントになって行く。国がモンスターになって行くのと同じ原理である。夫婦の中での主張のし合いを避けているのは忖度であって、忖度が続いて行けば独裁となる。
  なんでも言い合える関係でないと、主張のし合いが出来ない。主張しなくても言うべきを言ってないと、忖度の伴う家庭となる。忖度が続いて良いのは精々でお互いだけだ。夫婦であっても自分が自立を忘れてしまうとそうなる。
  その影響を受けるのは常に子供である。大人は不満をごまかすことが出来る。都会に飲食業が多いのは、この事の証明である。どれほど飲食業が多くあっても。子供は単独で利用できない。そういう飲食店が多くあるほど、大都会と呼ばれるし、文明国と呼ばれる不思議がある。そしてどれほど文明国であっても子に飲食街は風景としか認識されない。
  独裁者の場合は国民への指導となり、家庭では子への体罰となる。権力が夫婦のどちらかにしかない場合は連れ合いが底を忖度するから必ずそうなる。忖度をせねば一緒に居られない家庭でも、やるべきをやらない連れ合いは家庭を体操大事にする。
  そういう家庭の子の悲惨さは言うべきも無い。子供への虐待の根源はここにある。主張し合えるだけの自立目線を持った夫婦であれば済むものなのだ。
  権力を持つものは、感性が細かく豊かであるべきだが、独裁者がそうであるように感性が鈍って行く。感性が鈍る訳が無いのに、鈍って行く。学ぶという意識が鈍ったらたちまち独裁者となる。独裁者自身もそうだが側近はそれ以上である。
  先ず自分を自分で修める事…それが遠い事であっても、常に意識していなければならない。だが多くの家庭は「満足」することに目標を置く。社会は主張をしない人ほど疲れるようにできている…満足しようとしたら学ばなくなってしまうのに、だ。


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